彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
☆☆☆

翌日。


寝つきが悪かったくせに6時には目が覚めてしまった。


俺はベッドの中で寝がえりをうち、目を閉じたまま静かな部屋に響く時計の音に耳を傾けた。


普段は気にならない音がやけに大きく響いてくる。


一階ではそろそろ母親が起きてくる時間だ。


それでもまだ少し早く、家中がシンとしている。


「燈里おはよう」


その声にハッとして俺は目をあけた。


目の前に薫子の顔があり、思わず叫びそうになるのをなんとか我慢する。


ドクドクと心臓が鋼を打ち、ジワリと背中に汗をかく。


「なんだよ……」


俺は薫子から目を離さずにそう言った。


怯えていることを悟られてはいけないと思ったのだ。
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