彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「朝だから、おはよう」


薫子はいつものように笑顔を浮かべている。


今は機械的な口調でもない。


でも、そうやって俺を油断させているだけかもしれない。


そう思い、俺はゆっくりと上半身を起こした。


「あぁ。おはよう」


「燈里、今日はなにして遊ぶ?」


「今日は学校だ。毎日行っているのを知っているだろう?」


「今日は学校なのね? 何時から何時まで?」


薫子が小首をかしげてそう聞いてくる。


整った綺麗な顔なのに、それはとても冷たい表情に見えた。
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