彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
結音にそっくりな人形が引き出した燈里の笑顔。


あたしじゃなくて、やっぱり結音なんだと思って正直胸は痛かった。


だけど、今燈里は笑っている。


昔の燈里を取り戻している。


「お前さ、燈里の事が心配だから人形のこと調べたり、聞いたりしてきたんだろ?


なのに、なんで人形を壊す事は考えないんだよ」


「だ……って……。あの人形がいれば燈里は昔みたいに笑ってくれてる。


だから、できれば人形の感情をコントロールする方法を見つけたい」


「このまま人形に燈里をとられてもか?」


諒の言葉にあたしは目を見開いた。


そんなこと、考えてもいなかった。


人形に燈里を取られる。


普通の女の子なら仕方がないと思って諦めもつくかもしれない、でも、相手は人形だ。
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