彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
たまに開けっ放しにすることはあるけれど、そういう時は両手に荷物を持っていたりしてやむ負えない時だ。


そして大抵開けっ放しにしているという事を、記憶している。


俺は空いたままのドアに手をかけて引いた。


中はいつもと変わらない。


しかし、そこに薫子の姿がなかった。


「薫子?」


俺はさほど広くない部屋の中で呼びかける。


返事はない。


コップを机の上に置き、廊下に出て他の部屋をあけてみる。


薫子の姿はない。


ベランダへ出てみると、干された洗濯物が風で揺れていた。


そろそろ取り込んだほうがいいかもしれない。
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