彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
諒は美奈の病院着の首元へ手を伸ばし、肩口が見えるように少しずらして見せた。


……凍りついた。


さっきまで熱いくらいだったのに、背中の汗が一瞬にして引いて行く。


「嘘……だろ……」


呟き、後ずさりをする。


そのまま壁が背中に当たり、俺はズルズルと力なく座りこんでしまった。


美奈の肩にはクッキリとした手形が残っていたのだ。


それは男性よりも小さく、子供よりも大きい。


丁度女性の手の平くらいの大きさ。


俺は自分の体に残っている薫子の手形を思い出していた。


丁度、あれとそっくりな状態だ。


「美奈はお前の人形に突き落とされたんだ」


諒がゆっくりと俺に近づいてくる。


俺は知らず知らず左右に首を振っていた。
< 245 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop