彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「嘘だ……そんなの嘘だ……!」


涙が流れ、ヨダレと鼻水が混ざって落ちて行く。


「嘘じゃねぇよ! 見ただろうがあの手形をよ!!」


諒が怒鳴りながら俺の胸倉をつかむ。


一瞬息が止まり「ぐっ」と、声が漏れる。


そのまま強引に立たされ、壁に押し付けられる格好となった。


涙で病室も諒の顔も歪んで見える。


「美奈……美奈が……そんな……一番最悪の事態に……」


カタカタと震えながら俺は言う。


「あぁ。お前の言う通り最悪の事態だ。このままじゃお前だけじゃなく、人形を止めようとしている俺まで殺されるかもな」


「諒……嫌だ……お前までいなくなるなんて……俺は耐えられない」
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