彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
部屋の中がすべて光に包まれる。


その隅の方で薫子がうずくまり、目を閉じている。


これは充電しているのだと、国匡さんは言っていた。


人間が眠って1日の疲れを取るのと同じで、薫子は今充電している。


つまり、無防備な状態だ。


俺は薫子を観察するようにジッと見つめる。


人間と同じようなベッドや布団は必要がない。


あの体制で十分なのだそうだ。


薫子は充電中、ピクリとも動かない。


ずっと止まった状態で、生きているのか死んでいるのかもわからない。


俺はゆっくりと薫子へ近づいた。


そっとその手に触れてみる。


いつも通りのぬくもりを感じる。


そして手を滑らせて、薫子の足首に触れた。
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