彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
薫子は起きない。


俺の心臓はドクドクと鋼を打ち始める。


「ごめん。薫子」


小さくそう言い、スイッチに指をかける。


瞬間。


俺の体は弾き飛ばされ、目の前には天井が見えていた。


背中がズキズキと痛む。


なんだ?


なにがあったんだ?


咄嗟には理解できなかった。


明るい天井に人影が見えたとき、それが薫子がということがわかった。


「薫……子……?」


俺は何度も瞬きをする。


「あたしのスイッチを切ろうとしたでしょう」
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