彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
俺は昨日見たサイトを思い出していた。


あれが本当なら、薫子は山下陽子という人間だったハズだ。


直接本人にそれを聞く勇気はない。


また首を絞められるかもしれないから。


今度は容赦なく殺されるかもしれないから。


俺はこれから先細心の注意を払って行動しなければいけないんだ。


「燈里、顔色が悪いけれど、どうしたの?」


薫子が心配そうに俺を見つめる。


「いや……なんでもない。大丈夫だよ」


俺は相当無理をして笑顔を作った。


ちゃんとした笑顔になれているかどうか、自身がない。


しかし薫子が「そっか。じゃぁ、よかった」と言ったので、とりあえず笑顔ができていたのだろう。


「薫子。俺は今日学校だ。用事があるし、少し帰りが遅くなる」


「用事ってなに?」
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