彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
あぁそうか。


結音にそっくりだから驚いているんだ。


そう勘づき、俺は早口で人形について説明した。


うまく説明できているかどうかわからないけれど、とにかくこの子は人形で、購入したのだという事を伝える。


すると、固まっていた母親は徐々に表情をゆがめた。


そっと薫子に近づき、その姿を見つめる。


まだ人形だと信じ切れていないようだ。


当然だ。


これだけ巧妙に作られているんだから。


俺は仕方なく薫子の足首にあるスイッチを見せることにした。


それを見た瞬間母親は小さく悲鳴をあげる。


人間にスイッチがついているという、ちょっと現実離れした光景に驚いたのだ。
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