彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
俺はすぐに諒に声をかけた。


諒はチラリと俺を見ただけで返事をせずに席に座ってしまった。


ホームルーム開始までに俺と諒はバカな話をして笑い合っていた。


それは毎日の日課だった。


一番仲の良い友達だから、朝一番に一緒に会話をしていた。


でも、今日は違った。


諒は俺とは話さず、他のクラスメイトたちを話し始めた。


いつものように面白い事を言ったのだろう、そのメンバーから笑い声が聞こえてきた。


俺は1人でその声を聞きながら奥歯を噛みしめる。


「どうしたんだ? お前ら喧嘩でもした?」


俺の後ろの席の男子生徒が心配して声をかけてくる。


「あぁ……。ちょっとな」


俺は曖昧に返事をして、うつむいた。
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