彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
☆☆☆

病院に行くまでの道のりと、帰る道のりは全く違う感情を持っていた。


行く時はドールの今後を考えていたけれど、今は美奈と諒の事が頭から離れない。


「くそっ」


小さく舌打ちをして転がっている石を蹴飛ばす。


石は弧を描き草むらの方へと落ちた。


突然訪れた親友たちの裏切りにどうしていいのかわからなくなる。


問題は人形のことだったはずなのに、更に問題が降りかかっていた感じだ。


だけど、美奈や諒に『諦めてくれ』なんて俺から言えるワケがない。


きっと2人は俺と結音の関係を邪魔するつもりなんてないからだ。


俺を思って自分の感情をセーブしている。


「なんなんだよ!」


また自然と愚痴が口をついて出た。


イライラする。


何かを思いっきり殴りたい気分だ。
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