彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
薫子の甘い香り。


暖かな体温。


柔らかな肌。


それらが俺の思考を停止させた。


「いいよ?」


薫子は小首を傾げてそう言い、俺の背中に自分の腕を回した。


胸のふくらみが押し付けられる。


「燈里、辛い事があった?」


薫子の手が俺の頭を優しく撫でた。


それは俺が落ち込んだ時、結音が時々やってくれていた事だった。


「ちょっとね」


「あたしには甘えていいんだよ?」


甘い言葉をささやく薫子。


ダメだ。


流されるな。
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