彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
一瞬でも薫子に心を許し、甘えてしまった自分が情けなく感じる。


でも、もう過去には戻れない。


今度は結音を守る事を考えなければいけなくなった。


めまぐるしく変化していく環境に俺は心身ともに疲れを感じていた。


最近安心して休むこともできていない。


俺は薫子の反応を確認しながら、ゆっくりと立ち上がった。


「カッターナイフをこっちへ。危ないから」


優しく声をかける。


薫子は少し躊躇を見せたが、大人しくカッターナイフを俺に渡してきた。


よかった。


これでとりあえずは安心だ。


そう思った時だった。


「いつ、別れるの?」


薫子がそう聞いて来たのだ。
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