彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
☆☆☆


翌日、俺は諒と一言も会話をせずに過ごした。


諒は俺を意識的に避けているし、俺も諒を避けていたのだから当然の事だ。


薫子の事も美奈のことも、相談する相手は誰もいない。


すべて自分で決断しなければいけない状況だ。


それはとても心細いことだった。


自分の判断が自分の首を絞めていくかもしれない。


わかっていたけれど、昨日の今日で諒に話しかけることがどうしてもできなかったんだ。


放課後、俺は1人で病院へ向かった。


行って一体どうするというのだろう。


結音は眠っている。


会話なんてできない。


別れるなんて一方的に伝えてもその気持ちは通じない。


「ははっ……」


俺は思わず声を出して笑っていた。
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