彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
完全に人形に踊らされている自分が滑稽に見えた。


購入者は俺なのに。


俺が金を出して買った私物に、俺は抵抗できずにいる。


ジタバタともがくこともできず、ただ頭の中で考えて考えて。


結局何も答えなんて見いだせずにいる。


何度も通った病院の入り口の前。


俺はここに薫子を連れてきたことを今さらながら後悔していた。


結音の存在を薫子に知らせるべきじゃなかったんだ。


「結音……ごめんな」


俺は小さく呟き、結音との最後を告げるべく一歩を踏み出したのだった。
< 299 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop