彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
友人の名前までは載っていなかったが、その子も相当辛い思いをしたことだろう。


そんな事を考えているといつもの坂道までたどり着いていた。


ゆっくりゆっくりと坂道をのぼって行く。


見慣れた一軒家の前で立ち止まり、カギを開けて中へ入る。


「ただいま」


そう言った瞬間、階段から薫子がかけ下りてきた。


「おかえり燈里!」


そう言い、俺の首に両腕をからませるようにして抱きついてくる。


俺は薫子の体重をうけとめながら目を丸くした。


こんなに機嫌のいい薫子は最近見た事がないからだ。


「どうしたんだ? なにかいい事でもあったか?」


そう聞きながら、そんなワケないか。


と、思う。


薫子は1日家にいて誰とも連絡を取っていないハズだ。
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