彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「あったわよ、いい事」


「なにがあったんだ?」


「燈里が病院の女の子と別れてくれた!」


そう言い、嬉しそうに微笑む。


俺の胸はズキリと痛み、薫子の体を引き離す。


「まるで俺が結音と別れる所を見ていたような言い方だな」


冷たくそう言い、階段を上がる。


薫子は後ろからトントンとリズミカルに歩きながら俺を追ってくる。


「だって、わかるもの」


「なにがわかるんだ」


俺は薫子の方を見ずにそう聞く。


部屋のドアを開け、そして唖然として立ち止まる。


俺の部屋は、まるでクリスマスパーティーの時のように飾り付けされていたのだ。
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