彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
リビングから廊下へと出た瞬間、右の手の甲に温い水滴が落ちていくのを感じて立ち止まった。


「……え?」


見ると手の甲には赤い水滴が流れている。


一瞬わけがわからなかった。


これは自分の血だと気づくのにも時間がかかった。


「うわっ……!?」


血はどんどん流れてくる。


それは俺の右肩から流れ出していて、薫子の手にはカッターナイフが握りしめられていた。


横を通り過ぎた瞬間に切りつけられていたみたいだ。


薫子の持つカッターは俺の制服を切り、肌まで到達し、肉をえぐった。


左手で肩の傷口を抑えるが、指の間から血はにじみ出てくる。


かなり深く切られたようで簡単に止血できそうにない。


「くそ!」


俺は舌打ちし、半分パニックに陥った状態で脱衣所へと駆け込んだ。
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