彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「なに、その名前」


薫子は険しい表情を俺に向ける。


覚えていないのか?


「燈里、病院の女の子以外にまだ他の女の子を見ているの!?」


薫子が怒鳴り、俺の体を押しのける。


それはすさまじいパワーで俺は脱衣所まで吹き飛ばされる形になった。


くそ……!


場は更に悪化した。


俺は自分の判断を呪った。


薫子は生前の事を覚えていないんだ。


自分の名前さえ、憶えていない。


「落ち着け薫子! 山下陽子はお前の名前だ!」
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