彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
こんな綺麗な結音を今から自分の手で殺すんだ。


本当にできるのか?


そんなことが。


俺はカッターの刃を自分の左手首にあてがった。


力を込めてスッと横に引く。


線が一本体に入り、ジワリと血が出てくる。


ピリピリとした痛みが微かにある。


自分の体に刃を立てることならいくらでもできた。


いくら血がにじんできても、いくら傷が入っても平気だった。


でも……でも……。


その刃先を結音へ向けた時、俺の腕は動かなくなった。
< 352 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop