彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「どうにもならない。スイッチも切れない。力も強すぎて太刀打ちできない」


「でも刃物はきいたんだろ」


諒が言う。


俺は顔をあげた。


薫子の顔がベッコリと凹んだ様子が思い出される。


「人形の弱点はきっとスイッチだけじゃない。肌を深く傷つけることも有効なんじゃないか?」


「……もしかしたら、そうかもしれない」


だけどきっと、浅い傷では意味がない。


でも、思いっきり深い傷を作ればそこから液が漏れだして、最終的には動けなくなるんじゃないだろうか?


そんな思いがよぎる。


「薫子と戦うってことか……?」


「それ以外、方法はないだろ」


諒が言う。


「危険すぎる!」


俺はすぐに反論した。


「じゃぁどうするんだよ! お前があの人形に殺されるのを待ってろっていうのかよ!」


諒が俺の胸倉を掴んで怒鳴る。
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