彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
俺は話声の聞こえてくるリビングの前を通り過ぎ、玄関を出た。


「やっと邪魔者はいなくなったのね」


「少し黙っていろ」


思わずそう言い、薫子を睨みつける。


薫子は一瞬納得のいなかい表情を浮かべたが、機嫌がいいからかすぐに黙った。


そのまま真っ直ぐ公園へと向かう。


いつも使う公園。


数年前ミサという子が殺される事件があった公園。


「ここ、なんだか嫌」


公園に入った瞬間、薫子がそう言った。


「前もここに来たじゃないか」


「そうだけど……」


薫子は落着かない様子で周囲を見回す。
< 362 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop