彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
そう思い、ゆるめていた歩調を早める。


家から学校までは徒歩10分ほどだ。


到着するまで降らなければいいけれど。


そんな思いで足を進める。


しかし思いは届かず、5分ほど歩いた時点でポツポツと地面にシミができ始めた。


「くそっ」


舌打ちをして傘を広げる。


それとほぼ同時に大粒の雨が降り始めた。


夏の通り雨が残っていたかのような降り方だ。


雨はあっという間に周囲の音をかきけすほどになっていた。


歩道には水たまりができ、車がバシャバシャと水しぶきを上げながら追いこして行く。
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