彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
俺にできることはあるのだろうか。


考えていると、薫子が自分の頭を両手で押さえた。


苦しげに表情をゆがめている。


「おい、薫子」


俺は慌てて薫子の近くへ駆け寄った。


けれど、どうしていいのかわからない。


薫子はうめき声を上げ始めた。


「逃げて……」

「え?」




俺はその言葉に耳を疑う。


「逃げて! あたしはあなたを殺してしまう!!」


カッと目を見開き叫ぶように言う薫子。


俺は数歩後ずさった。
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