彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
俺はその場から動かず、そう言った。


「なにを言っているの? 1度死んだ人間は生き返らない! そんな事あってはいけないの!」


山下陽子は叫ぶ。


俺は戸惑いながらも山下陽子から身を離した。


その瞬間、さっきまで俺がいた場所に包丁がつき立てられた。


ドスッという鈍い音がリビングに響く。


俺は咄嗟に身を翻し、リビングを出て玄関へと走っていた。


包丁を振りかざし、すぐにその後を追ってくる薫子。


しかし「逃げて!」と、山下陽子が叫んだ。


俺は混乱する頭の中、外へと走り出した。


薫子と山下陽子が入り乱れている。


だけど山下陽子の言うことは最もだった。


1度死んだ人間は生き返らない。


そんなの当然すぎて誰も説明などしないことだった。
< 390 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop