彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
でも、山下陽子は自分は生き返ってはいけないのだと言った。


もう意識が蘇ってきているというのに、生き返る事を望んでいないのだ。


いや、本当は望んでいるのかもしれない。


生き返りたくて仕方がないのかもしれない。


それでも、俺を助けるために薫子と戦ってくれている。


俺は真っ直ぐに走りながら足は自然と病院へと向かっていた。


山下陽子の強い意志。


それを見ていると、みすみす命を撫で捨てる事もできなくなる。


俺は結音が眠っている病室へと向かった。


そのドアの前に諒が立っている。


諒が俺に気づき、チラリと視線を向けてきた。


「諒、話がある」


俺は息を切らしながらそう言った。


ここへくれば諒がいると思ったんだ。


家へ行ってもいるかどうかわからなかったから、真っ直ぐここへ来たんだ。
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