彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「燈里の話はわかった。理解はできないが、なんとなく雰囲気はつかめた」


「よかった」


俺はホッとして氷が溶けてぬるくなった水を1口飲んだ。


一気に説明したせいで、注文することも忘れていた。


俺と諒は一旦話を整理するために、適当にコーヒーを注文した。


「つまり、薫子の中では今薫子と山下陽子がいて、2人が戦っているってことだよな?」


「そうだ」


俺は大きく頷く。


「ってことは、敵の中に味方がいる状態か」


諒は呟き、顎をさすった。


「そうなんだ! 山下陽子は人殺しをしたくない、自分は生き返らなくてもいいと言ってる」


「それなら、山下陽子が表へ出てきてくれたら話しが早い。自殺するなり、なんなりしてくれるだろう」


俺は諒の言葉に思わず顔をしかめた。
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