彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「いいか燈里、俺たちにとって山下陽子はこれ以上にない助っ人だ」


「あぁ。わかってる」


「山下陽子が薫子の動きを制限させる事ができるなら、その間にスイッチを切る事ができるんだ」


「わかってる……」


俺は小さく頷く。


それが一番いい方法だと気が付いていたから。


もう誰も死なない。


誰も傷つかない。


ただ、元々いなかった薫子がいなくなるだけ。


俺は自分の手のひらを見つめた。


「俺にできるかな?」


「できるさ。お前には結音がついている」


「え……?」


俺は手のひらから視線を上げた。
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