彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
決行
家に帰ったのは9時半がすぎた頃だった。


俺は真っ直ぐに自室へと向かう。


「薫子」


そして、部屋の隅で小さくなっている薫子に声をかけた。


薫子は顔をあげて俺を見る。


「一緒に散歩にでも行くか」


そう言うと、薫子はすぐに表情を緩ませた。


「うん、行く!」


そう言い、飛び跳ねるように立ち上がる。


こんな時間にいきなり散歩に誘われてもおかしいと感じないのは、やっぱり人形だからだろうか。


「準備したらすぐに行くから、玄関で待っててくれ」


「わかった」


薫子は素直にうなづき、部屋を出た。
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