彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
これはどういう事だ?


俺が諒を刺したのか?


諒はまだ微かに呼吸をしている。


今ならまだ間に合うかもしれない。


救急車を……!


携帯電話に手をかけた瞬間、俺の手首を薫子が掴んだ。


ゴキッと手首の骨が折れる音がする。


「う……!」


痛みで目の前が白くなる。


「させない」


「早く……救急車を……諒を……」


「山下陽子は、蘇る」


薫子が不吉にほほ笑む。


次の瞬間、俺の腹部に異様な感覚が走った。


口の中に血の味が混じり、吐き出そうとするがその元気はもう残っていなかった。


口の端から血か唾液か、嘔吐物かわからないものが垂れる。


俺は視線を下へ向けた。


薫子の腕が俺の腹部に突き刺さっているのが見えた。
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