彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
☆☆☆

外へ出ると太陽が傾きかけているのがわかった。


やっぱり、随分と時間が立っていたのだ。


結音との思い出をできるだけ細かく、できるだけ正確に思い出そうとしていたからだろう。


だけど、そのお陰か俺の胸の奥が随分とスッキリしているように感じる。


結音との思い出を1つ1つ順序立てて整理できたおかげかもしれない。


何度も何度も思い出すのは同じ光景ばかりだった。


俺の前を跳ねるようにして歩く結音。


横断歩道は赤から青に変わり、そのまま進んで行く結音。


そんな彼女に、信号無視の車が突っ込んだんだ。


正面から来た車はスピードを落とすことなく結音に突っ込んだ。


ガンッ!と音が響きわたり、小さな体が空中を舞う。


それはまるで、結音に天使の羽が生えたかのように見えた。
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