彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
そう言うと薫子は少し寂しそうに体をどかした。


俺は薫子の頭をポンッと撫でる。


「夜にはちゃんと帰ってくるから。な?」


「うん……」


頷きながらも眉をハの字にしている。


俺は少し考えたあと、「そうだ。用事が終わって戻ってきたら、一緒に散歩へ行こう」と、持ちかけた。


「散歩?」


「あぁ。薫子を作ってくれたショップに用事があるんだ」


そう言うと、薫子は更に表情をゆがめた。


自分が返品されるとでも思ったのだろうか。


俺は薫子を安心させるために手を握りしめた。
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