彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
その手はちゃんと暖かく、脈うっているのもわかる。


一瞬本物の人間なんじゃないかと思ってしまうくらいだ。


「薫子の思い出と、俺の思い出を同じものにするんだ」


「思い出を……?」


「そう。今薫子の持っている思い出は作られたものだ。だから、それを本物へと書き替えるんだよ」


そう説明していると、徐々に薫子の表情が明るくなって行く。


よし、大丈夫そうだな。


「だから、いい子で待ってろよ?」


俺はそう言うと、手早く着替えをして部屋を出たのだった。
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