彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
外の空気は少し湿り気を帯びていた。


雨は完全に止んでいるが、星は出ていない。


薄暗い月明かりと外灯を頼りに、俺は来た道を戻る。


そんなに遅い時間ではないハズなのに、この暗さでは少し不安になり歩調は速くなる。


軽く息を切らしながら坂道を上がり、見慣れた我が家の玄関を開ける。


「おかえり燈里。今日は早かったのね」


出迎えてくれた母親のそんな言葉に、俺は携帯電話を取り出して時間を確認した。


まだ7時前だ。


「外が暗いから、もっと遅い時間かと思った」


ホッと息をはきだしてそう言い、家に上がる。


夕飯のいい匂いが立ちこめている。
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