彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「今日は天気が悪いものね」


ダイニングテーブルにはすでに父親の姿があり、その奥からテレビの音が聞こえてきた。


「ただいま」


「おぉ。おかえり。結音ちゃんの様子はどうだ?」


父親はチラリと俺の方を見て、視線はすぐにテレビに向かった。


「あぁ。今日はみんなでお見舞いに行ったから機嫌がよさそうだったよ」


そう返事をすると父親は目を驚いたように見開き「目が覚めたのか?」と、聞いて来た。


「なに言ってんだよ。眠ったままだよ」


俺は少し顔をしかめてそう返事をする。


結音が目覚めたのなら、こんなに早い時間に帰ってくるハズがない。


俺はいつも結音の機嫌を憶測で話しをしている。


そしてそれは家族も知っていることだった。
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