彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
それなのに、今日はいつもと態度が違う。


「あ……あぁ、そうか」


父親は少しため息をはきだしてそう言い、またテレビに視線をうつした。


父親の態度を怪訝に思いながら、俺は自分の席につく。


母親が手早く料理をテーブルに並べて行く。


おいしそうなから揚げだ。


「ところで燈里。あの人形はどうしてるんだ?」


食べ始めてしばらくしてから、父親がそう聞いて来た。


「あの人形?」


一旦そう聞き返したが、すぐに薫子の事だとわかった。


「あぁ。別に、俺が留守にしている時は部屋で大人しくしているよ」


「そうか……」


しかし父親は俺の返事に納得いかないようで、曖昧な笑顔を浮かべる。
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