彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
諒の言葉に俺はキョトンとしてしまう。


あまりにも当たり前な事を聞かれて、驚いてしまったのだ。


「当たり前だろう? なんのために必死で都市伝説のショップを探したと思っているんだよ」


「……結音の生き写しを作るため……?」


美奈が冷めた目で俺を見る。


その言い方にはトゲがあり、俺はいらつきを覚えた。


そんな言い方じゃまるで薫子が結音の変わりのようじゃないか。


結音の変わりなんて、この世には存在しないのに。


「俺は結音を近くに感じていたい。ただそれだけだ」


強い口調で言い返す。


「結音じゃない女の子に結音の演技をさせて、寂しさを紛らわしているダケでしょう!?」


「なんだと?」


突っかかってくる美奈に思わず目を吊り上げる。
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