彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
それは裏切られ傷つき、落胆した者の声のようだった。


「ま……まぁ、せっかく集まったんだから、やめようぜそういうの」


諒が美奈の背中をかるくさすって落ち着かせている。


「喧嘩しないで」


不意に薫子がそう言ってきた。


その目は不安で満ちている。


俺は薫子の頭を撫でて「大丈夫。俺たちは仲間だから喧嘩をしてもすぐ仲直りできるんだ」と、説明した。


いつだってそうだった。


些細なことで喧嘩をしても、すぐ元に戻る。


それが俺たちの関係だった。


俺は右手を美奈に差し出した。


美奈は顔を上げる。
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