君が笑うなら
――信じられない。夜はいつもぐっすり眠ってるつもりだったのに。

「それで、会話もしたんだよ。僕はわりと遅く寝るから」

「何を言ってましたか?」

「…………」

志和は困ったように苦笑して、視線を泳がせた。

まずい、何か変なこといったんじゃないかと菜穂の頭の中がぐるぐるする。

まさか母親の介護への愚痴だったりはしないだろうかとか、給食のお変わりじゃんけんに負けたことに対してマジギレでもしたんじゃないかと、いろんな予想が浮かんで消える。


「僕も、暇だから、いつでもおいで」

「あの、聞きたかったんですが、志和さんって何歳なんですか?私は中学2年生です」

「僕?僕は中学3年生だよ」



志和の返答に思わず目を見開く。

正直高校生ぐらいだと思っていた。落ち着き振りといい、見掛けの垢抜けっぷりといい、同じ中学生だとは予想だにしてなかったのだ。
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