夏の雪
電気が点いていても薄暗く
タバコやお酒が染みついた匂いで鼻の奥がツーンとする。
外の空気とは全然違うモヤモヤとした部屋
一歩入るだけで頭がガンガンする。
「ユキちゃん今日も早いね」
カウンター席でタバコをくわえながら笑うオーナー。
中学1年生の冬
しゅんちゃんの紹介でなんとなく入ったこのガールズバー。
オーナーは私の本当の歳を知っている。
人手不足だったこの店は
7年間働くという約束で13歳の私を雇った。