夏の雪

彼は私にキスをした。

狂ったように何度も何度もキスをした。

彼がしようとしていることは

子供の私にだってわかった。

いつもの優しい彼の面影なんてなくて

なにかに取りつかれたように

ただただ私を求める彼が怖くて



「放してよ・・お願いだから」

溢れ出す涙を止められなかった。

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