夏の雪

寝ているおじいちゃんとおばあちゃんの

ことなんて気にしている余裕なんか

無くて、ドアを乱暴に開け

階段をかけあがった。


部屋のドアも閉めずに声をあげて泣いた。

記憶が全部なくなればいいのに。

そう思って震える手で

自分を傷つけた。

深く深く。

床にどんどん広がっていく血
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