白雪姫のしんちゃん
学校の鐘がなる。
やっと、俺の愛おしき時間の『休憩時間』になった。
「飯だ。飯♪」
俺は声にだして、その場で考えた飯の歌を歌った。
「何、寝ぼけてんの!!これから、練習するから、弁当持って屋上に来いよ」
あいつ………女子かよ!?
つか、俺の貴重な時間がぁ…
「やってらんねぇ」
「でも、ちゃっかり弁当持って、屋上に行こうとしてるじゃん」
声をかけてきたのは、隣の席の小川 小太(しょうた) だった。
…っ…。これ以上、俺の機嫌を悪くするな!!
内心では、そう思っていた。
「俺が、白雪姫をやることになっちまったんだから、仕方ないだろ」
……この、言葉…
1つの単語さえ、無ければかっこいい台詞なのに……
『白雪姫』のせいでだいなしじゃん!↓
そんなことを、呟きながら慎一郎は屋上にむかった。
「シンちゃん。こっち、こっち」
そこには、上品に……ではなく、がっつきながら弁当を食べるあいつがいた。
まわりは、皆カップルばかりだった。
俺たちも、カップルにみえるのかな…?
「嬉しいよぉな。悲しいよぉな。 ハァ」
小さな声で俺は、本音を言った。