君と描いた日常-負け組女子高生
私は入ってきたクラスメイトが席に着いたのを見計らって、私は誰が登校したのかちらりと確認した。


予定外な事に席についたそいつはカバンを持ち上げようとしていて目があってしまった。


不良でもオタクでもない、いわば中間派グループに属するクラスメイトのその彼は、私と同じく宿題のために速めに登校したらしい。


「お…おはよう。」

「…おはよう」

虫のささやくような声で私の挨拶に返事をした彼はふいっと机に目を戻した。


なんだよもう。

こんな事なら最後まで気づかないふりを貫き通せばよかった。

私は再び自分の宿題に目を戻した。
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