君と描いた日常-負け組女子高生

日常

耳をつんざくような目覚まし時計の音で私は目をさました。


まるで火災報知器のような、
人の精神をかき立てる音をなおも発し続けるそれを手のひらで押さえ込みしばらく硬直すると、
やがて重い体を持ち上げた。


まだはっきりとしない意識で洗面台の前に立つと、一気に青い蛇口をひねり両手を差し出す。


手のひらにたまった水たまりを顔にぶちまけると、肌をさすような冷たさに一瞬身震いした。


顔を持ち上げ鏡を見据えると、顎から水のしたたった自分の顔がぼんやりと浮かんで見えた。
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