君と描いた日常-負け組女子高生
「聞いてる限り、麗華は私が勝ち組で麗華は負け組だと思ってるみたいだけど。」


悠紀は私の前にしゃがみ込んだ。


「…?うん。」


私は麗華の目を見つめた。


「私とあんたはなんにも変わらない。
ていうか、あんたより私の方が負け組だったのかもしれない。」


「どうして?」


キョトンとする私の前で、悠紀は左手に肌身離さずつけていた分厚い腕時計をおもむろに外した。

悠紀の手首には、幾重にも重なった白い線がくっきり残っていた。


私はすぐにリストカットの跡だと気付いた。
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