君と描いた日常-負け組女子高生
「悠紀…これ…」


私は頭を殴られたような鈍い衝撃を感じた。


「今はしてないよ。中学の時の跡。」


悠紀はそう言って笑った。


それでも私の表情は晴れなかった。


「…死にたかったの?」


「死にたい死にたいとは思ってたけど、本気で死ぬ気なんてなかった。
手首切ったのは他にはけぐちがなかったからだよ」


悠紀は自分の手首を握りしめた。


「けど…どうして?」


私は悠紀の手の上から彼女の手首を握った。
< 69 / 204 >

この作品をシェア

pagetop