君と描いた日常-負け組女子高生
桜もすっかり散りはて、高校生活二度目の夏が訪れようとしていた。


「やだな学校。」


私は重い足を前に押し出す。


どれだけ学校が嫌でも、サボる勇気なんて私にはない。


一日でも休んで次の日私に対するみんなの態度が違ったら、なんて考えると吐血してでも学校に行かなければと思う。


それどころか私は誰よりも早く、始業時間の30分前には教室に到着する。


生徒の集まった教室で、「おはよう」と言いながら愛想笑いなんかふりまいて教室の奥の席まで横断するのが嫌だからだ。


それなら一番に教室に着いて、続々と登校してくるクラスメイトを寝たふりでもして受け流す方がよっぽど楽だ。
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