片想い連鎖
自分の考えていた予想をはるかに越えていたので、私は思わず大声をあげてしまった。



「ほら〜。やっぱびっくりしてるじゃん」



ほのちゃんは口を尖らせて言った。
そんな姿もなんて可愛らしいんだろうか。



「いや、あまりにも予想外の人だったんで……あの人の一体どこがよかったの!?私にとってはただの意地悪性悪男にしか見えないんだけど」


「う〜ん、なんだろ。自分の気持ちに気づいたのも最近なんだけどね。
吉田ってチャラチャラしてるけど、でもふとした時に優しいし。
みゆが前合コンで倒れたときにお姫様抱っことかしてるの見て、なんか頼れるし、うーんなんだろな。
なんかいつのまにか好きになってた感じかな」



恥ずかしい〜と言いながら顔を抑えるほのちゃん。
かっ可愛い…


んだけど、私はそこで知らなかった新事実。


私、あの時アイツにお姫様抱っこなんてものされてたの!?


私は自分の血の気が引いていくのを感じていた。



「あともう一つ言えば」



ほのちゃんは続けた。



「その…合コンの件もあり最近みゆと仲良いからさ、もしかしてそうなのかなと思って少し妬いてました。……ごめんなさい」



私は目が点になった。



「えっ!私と吉田君なんてほんと何にもないよ」



と言いながらこの前の映画の日のことを思い出した。


アイツ、事もあろうに手なんか繋いできやがった。


でも嫌がらせだし。


うん、そう。私と吉田君に何もない。



「それ聞いて安心した。そしてみゆがまさか高梨とはね〜」


「絶対言わないでね」


「言わない、言わない」



そういいながら、ほのちゃんはジュースにささっているストローに口をつける。



「……みゆは告白とか考えてる?」



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